やわらかな夜
ガコン

自販機から缶コーヒーの落ちる音が狭い休憩所に響いた。

コーヒーを1口飲んだ後、俺は息を吐いた。

休憩所は、俺が感傷に浸れる唯一の居場所だ。

家には、あかりがいるから感傷に浸れることができなかった。

あかりを拾ってから、もう1ヶ月が経過した。

彼女は文字通り、“献身的”な人物だった。

家事全般はみんなあかりがやっている。

家に帰れば、あかりが作った温かい食事と彼女が沸かした温かい風呂が待っている。

「よくやるよな」

俺は呟いた後、またコーヒーを1口飲んだ。

「修司」
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