やわらかな夜
納得した俺に、あかりはテーブルのうえに何かを投げるように置いた。

「――招待状?」

パステルカラーのキレイな招待状だった。

「つきあってた人が、結婚するの」

あかりがため息混じりに言った。

「今日そいつに会って、アイスコーヒーぶっかけた」

「はあ…」

あかりは一体何が言いたいのだろうか?

見せられた招待状に、つきあってたヤツの結婚。

さらにはそいつにアイスコーヒーをぶっかけた。

訳がわからなくて困っていたら、
「話が終わったら、あたしと会わないことを誓ってくれる?」

あかりが言った。
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