やわらかな夜
あかりはフフッと笑うと、
「シュージは兄貴のお気に入り決定ね」
と、言った。

「おいおい…」

お気に入りに決定された俺は呆れるしかなかった。

「大丈夫、なれればおもしろいだけだから」

「…そうか」

あかりもこう言ってるし、そのうち彼になれる日がくるのだろう。

「んっ?」

あかりが俺の肩にもたれかかってきた。

「初めてシュージと会った日のことを思い出した」

あかりが言った。

「そうか」

俺は返事をして、テーブルの下であかりと指を絡ませた。

答えるように、あかりが俺と手を繋いだ。
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