やわらかな夜
「あ~ん、妹が怖い~!」

理人さんが嘆くように言った。

…全く、この人は訳がわかんない人だ。

あかりが呼んであげてと、目で俺に話しかけてきた。

仕方ない。

「お兄さん」

「はいはーい♪」

…全く、現金なヤツだ。

俺は心の中で息を吐いた。

「俺、シュージくんみたいな弟欲しくなっちゃった♪

ね、もう1回言ってー?」

「兄貴、お客!」

「う~」

あかりに言われ、理人さんは渋々と接客に向かって行った。

全く、やれやれな話である。
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