秘密だよ?~ピアノとバスケそして君~

「そんなの狙ってるわけじゃないし、

 それがいいこととか思わないし…」


「考え無しが一番怖いんだよ。」


その人は、それっきり言葉をはなさなくなった。


わかってる。


無責任だって避難されても仕方がない。


前田さんにもちゃんと謝らないと。


どういうわけだか僕を気に入ってくれこんなふうに担ぎ上げてくれてる

それには感謝してるんだ。


「ご迷惑をかけました、いろいろ教えてくださりありがとうございます!」


俺はその人に背中に向かって体育会系の挨拶をした。


その人は、驚いた顔してこっちを見ていたけど、

何も言わなかった。



着替えもそこそこに控え室を退場してカフェに向かった。


悪いのはぼく、そんなの一目瞭然。


批判は覚悟の上だし、なんと言われようと、ぼくは崖っぷち。


あと一ヶ月のあいだに千葉の気持ちを取り戻すことが

最優先だったのだから。


だから、迷惑をかけてしまったことは申し訳なかったけど、

後悔はしない。

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