秘密だよ?~ピアノとバスケそして君~
その朝、快晴。

ぼくは東京に向かう新幹線の中。

「遊園地日和だな。」

車窓の景色を眺めながらそう呟いた。


さみしいけれど、少しほっとした。

雨なんかじゃあまりにも可愛そうだ。


みんなとの別れの時間を

千葉が少しでも楽しんでくれたらいい。


「ジュースでも買おうか?」


母さんがご機嫌を取るように話しかけてきた。

ちらりと横目で見て首を振る。


昨日の夜からろくに話をしていない。


やつあたりだってわかっているけど、

気持ちを抑えることができない。

しょうがないだろ?


悪いけど子供の特権。

行使させてもらう。



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