秘密だよ?~ピアノとバスケそして君~
「今日何か予定があったの?」


「まあね。」


ぼくはめんどくさそうに返事をした。

「ごめんね。」


謝られると、俺がひどくへそ曲がりの悪人みたいだ。


「謝ったって、しょうがないだろ。」


それ以上突っ込まれたくなくてぷいっと反対の方を向いた。


大人は、こういうのを反抗期と呼ぶらしい。


第二次成長でホルモン異常にに発達し、

未発達の理性が抑えきれないとかなんとか?


中一の時、保健や学活で同じような話を嫌ってほどされて、

俺たちの中でもそういう話題になるけど、

それだけじゃないんだと言いたい。


子供扱いの次は反抗期扱い

諦めたっくなくてあがくけど、

結局は大人の言うなりになるんだから、

我慢もしきれなくて爆発するのは必然じゃないのかな。


あれは、事実もあるかもしれないけど、

すべての理由をそこに持って行って

解決するための大人の方便なんじゃないかと思う。


なんにせよ、大人になりきれない僕たちは先のことなんて知るはずもなく

途方もない先の未来に辟易とする。


いつかそんなことも笑って話せる大人になったら、

全てが理解できているのだろうか。


上野を過ぎて、にわかに車内の人たちが荷物をまとめ始めた。


俺も上着を着てポケットの携帯を握り締めた。



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