Helloween Night【短】
急遽、友達に頼まれたハロウィンパーティーのバイトを終えたあたしは、重い体を引きずって帰宅した。


クタクタになっている今は両親と会話をするのも億劫で、さっさと自分の部屋に上がって電気を点けた。


「ギャーーーーッ……!」


その直後、部屋に谺(コダマ)したあたしの声。


目の前のゾンビに、腰を抜かして涙目になった。


「なっ……!だっ……!」


アカン、殺されるっ……!


本気でそう思った矢先、聞き慣れた声が耳に届いた。


「落ち着け、杏里!俺や!」


「……雷?」


「ビックリしたやろ!?バイト先のハロウィンパーティーで使った被り物やねんけど……」


「アホかっ!!」





この後、雷は杏里を本気で怒らせてしまい、翌朝はコーヒー牛乳を作って貰えなかったのだった――。





             END.


< 15 / 36 >

この作品をシェア

pagetop