Helloween Night【短】
「やっぱり無理……」


「遥、約束でしょ?」


「そ、そうなんだけど……」


「自分で着れないなら、着せてあげる」


「ちょっ、やだっ!!やめっ……!キャーッ……!」


柊君はあたしの体を片手でガッチリと掴み、あっという間に服を剥いで黒いミニワンピースに着替えさせた。


際どいスリットの入ったこのタイトのワンピースはハロウィン用の魔女の衣装で、どうやら有紀からのプレゼントらしい。


断固として着るつもりは無かったのに、柊君が神経衰弱で勝負を挑んで来て、負けず嫌いなあたしはそれを受けて負けてしまった。


「遥、Trick or treat」


「えっ!?」


「お菓子がないみたいだから、イタズラしないとね」


「な、何考えてっ……!」





この後、ベッドに引きずり込まれた遥が柊に散々イタズラされたのは、言うまでも無い――。





             END.


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