オルガンの女神

再び景色が戻った時、WALTZ(ワルツ)の兵隊は身ぐるみを剥がされ、地面に伏していた。

そして赤髪の男はと言えば、紺の制服に腕を通し、防弾チョッキや通信機を身に纏(まと)う。

小銃弾を使用した短機関銃を構えれば、その姿WALTZ(ワルツ)そのもの。


「一度着てみたかったんだ。意外と重いんだな」

「………」

「どうした相棒」

「いや」


同じく紺の制服を着るボズだが、どこか様子が浮かない。

と言うのも大柄であるボズには制服の丈が短く、脛(すね)がはみだしているのだ。

すると通信機に雑音(ノイズ)が走り、各兵に召集が掛かる。


「いよいよだ。手際よく済ませるとするか。“掃除屋(クリーナー)"の格が試される」

「ああ」


掃除屋(クリーナー)…───。

報酬次第で仕事を選ばない、悪にも善にも染まる、言わば何でも屋。

常に生死の境界を綱渡りで歩く彼等だが、彼等にとって“無刺激"こそ死と等しいのだ。

過酷な環境に身を置いてこそ得られる“刺激"を求めて、彼等は日々依頼をこなす。

それが掃除屋(クリーナー)。


「手筈は話した通りだ。頼むぜ相棒」

「任せておけ」


依頼先/
オルガンの女神

依頼担当/
ベック・ローチ
ボズ・ウォーリア

依頼主/
匿名

依頼内容/
ディリカ・ブロッケル氏が所有するパームの金貨の奪取。

依頼報酬/
300万$(シル)

(※1$=1円)


「ところで相棒」

「なんだ」

「丈が足りてないな」

「む」


依頼開始
~mission start~

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