自己チューなアラサー転勤族主婦の妊娠日記
10月23日(火)


 結局、吐き気と不安で昨日はほとんど眠れなかった。

 隣で夫は気持ちよさそうに寝ていて、その寝息を聞くとどんどん不安な気分になったため、真夜中、別室に布団を敷いて寝た。


 朝方、夫が部屋に来て「大丈夫?」と聞いた。



 大丈夫なわけない。




 中絶手術が不安なこと、だけど大阪で産んで育てるのは無理だと思うこと。

 吐き気もひどいこと。すごく不安なこと。



 泣きながら話した。




「オレはどっちでもいいよ。今回はオレの責任だから、どっちの選択をしても全面的にサポートするから」と言ってくれた。




 でも。




「もう仕事に行かなきゃ」

「今日は一人じゃ不安だからいかないで」

「それは無理」



 急に仕事を休めないのは、当然だ。だけど、全面的にサポートするって言ったのにと思った。



 夫が出かけて、何度もトイレで吐き続けた。



 やっぱり、子育てはできないと思った。急に何かがあっても、夫は仕事へ行くのだ。サポートすると言っても、結局は私が一人で全てしなければならない。




 でも、中絶手術を選択しても、手術するのは結局私だ。


 何でこんな思いを私だけしなければならないのだろうと、吐きながら泣いた。




 不安で不安で、神奈川に住んでいる姉にメールした。


 産みたくないから中絶したいとは言えず、飲んでいた薬の影響で奇形になる可能性があるから悩んでいると書いた。

 嘘ではないけれど、本当の気持ちではない。




 私は、自分が人からどう見られるかを気にするタイプ。
 私は、自分が非常識に見られたくない。

 結婚して子供が出来たのに、育てられないから中絶するなんて、そんなの自分勝手なわがままでしかない。私だってよくわかっている。

 ついでに、妊娠したのが全部夫のせいじゃないこともわかっている。
 私にもしっかり責任がある。分かっている。



 だけど、受け入れられない。



 怖い。






























< 7 / 248 >

この作品をシェア

pagetop