ふたりぼっち兄弟―Restart―【BL寄り】


◆セラピー
セラピーは梅林先生と色ぬりのつづきをした。
おとといはサカナの色ぬりをしたけど、今日は木のはっぱの色ぬりをした。
これに何の意味があるんだろう?
そう思ったけど、色ぬりは楽しかった。

梅林先生はすごくやさしいお姉さん先生だ。
おれが何を話しても「がんばってるね」「お兄さんが大好きなんだね」って言ってくれる。
変なたいどを取っても否定しない。
ノートで会話していたけど、楽しかったよ。
学校の先生もこれくらい優しかったらいいのに。

セラピーのお部屋で夜ごはんを食べた。
自分の病室で食べようと思ったんだけど……。
兄さまはまだ帰ってきてないから、ひとりじゃあぶないって言われたよ。
ストーカーさんはまだおれを狙っているのかな。

……兄さまもあぶないんじゃないかな。
そう思うとちょっとだけこわくなった。

ごはんを食べおわったくらいに、ます田けい部がセラピーのお部屋にきた。
兄さまが帰っているよって教えてくれて、おれはすごくうれしかった。

あ、ます田けい部に「どうして兄さまとアパートに行ったの?」って聞いたんだけど。
ます田けい部、「あのばかやろう」って、つぶやいて遠い目を作っちゃった。
やっぱりアパートのこと、ナイショだったんだと思う。
すぐろ刑事、怒られちゃうかな。

セラピーが終わって、ます田けい部、梅林先生といっしょに病室に帰る時、ケーサツの人がけい部さんに声をかけていた。
小声で聞き取りづらかったけど、「写真」とか言ってた。

ちゃんと聞きたかったんだけど……。
梅林先生が話を聞かせないように車いすを押して、話を振ってきた。
そのせいで、けっきょく、なんのことか分からなかった。

たぶんおれのことだと思うんだけど……気にしないことにしよう。

◆夜ごはん
白ごはん、アジフライ、はるさめサラダ、バナナ。
ハンバーグとかスパゲッティが食べたい。
おやつのバナナ、嫌いじゃないけど、チョコレートが食べたい。
< 135 / 293 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop