恋物語
「…じゃぁな、小野崎…亜紀」
「……はい。また」
意気消沈の境井くんを引きずり、藤堂くんは廊下の先へと行ってしまう。
…………あの手の感触が、まだ頭から消えない。
「………あ、そういえば、玲」
追いかけなきゃ。
家は近いから、すぐに会える。
あの挙動不審な行動は明らかにおかしい。
というか、親友として心配だ。
何か悩みがあるのかもしれないし、あるのなら力になってあげたい。
「行かなきゃっ」
自然と足に力が入る。
私は全速力で、学校を駆け抜けた。
周りの女子など、気にもしなかった。