Love Rose.


「馬鹿、待たせちゃダメよ。ね?京香」


「そうだよー。ちかちゃん連れてくの、もうちょっと時間かかっちゃうからすーちゃんは先に行って?」


「京香まで…。いいの?」


「いいもなにも、私達に気を遣う必要なんてないわ。私達だっていつもそうでしょう?今日は、すみれがそうなだけ」


「…うん。純、京香、ありがとう。ついでに千華子も」


「ふふ、彼にはまた今度会わせてね。お休み」


「すーちゃん、またね!楽しみにしてる」


「うん、お休み」


次は、いつ会えるだろうか。


専務のこと、ちゃんと紹介したいな。


皆には知っていてもらいたい。


お店を出て、真冬の空を見上げる。


真っ暗な夜空に、キラキラ輝く満点の星。


「…綺麗」


ヒンヤリと突き刺す寒さの中でも、心は温かい。


息を吐き出せば、真っ白で。思わず笑ってしまう。


そういえば、


「どこにいるんだろう…」


キョロキョロと辺りを見渡して、専務の車を探してみるけれど、たくさん車が停まっているからわからない。


仕方ない、連絡しよう。携帯、携帯…。


とかばんの中を探していると、ふと目の前に影が差した。


「?」


と顔を上げれば、少し息を切らした彼がいた。


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