Love Rose.


両親のいない、…いや、捨てられた私をどう見るだろうか。


一生、こんな機会は来ないと思っていた。


結婚なんて無縁。


誰かと深く関わりを持てば、期待する分失望し、優しさと同じ分傷つくから。


ずっと一人でいい。


そう思っていたから、自分の境遇を思い出して考えたことなんて無かった。


けれど、そばにいたいと初めて思った人だから。


頑なな心と考えを変えてでも、共に歩みたいと思った人だから。


優しさで私の全部を包んでくれる、最愛の人。


どんな未来が待っていようと、取るべき態度は一つ。


自分のことをしっかりと知る必要があるのは明白。


見たことも、存在すらも聞いたことの無い父親のこと。


生まれた時のこと。


ずっと知らずにいた、知る必要など無いと思っていた過去。


その過去と、向き合うべき時が来たんだと、逃げていた自分に自嘲の笑みがこぼれてしまう。


過去へと思いを傾ければ、迷子になった子供のように不安になる。


弱い自分はいらないと誓ったのに。

< 39 / 50 >

この作品をシェア

pagetop