ビロードの口づけ 獣の森編


 横倒しに引き倒され、クルミはベッドに両手をついてジンを睨んだ。
 意地悪な視線がクルミを一瞥し、開かれた足の間に移動して止まった。

 そんなところを凝視しないで欲しい。

 足を閉じようともがくが敵うわけもなく、焦るほどに顔が熱くなってくる。


「いやっ……」


 ジンの腕を掴んで懇願すると、視線がこちらに戻ってきた。
 口角を少し上げて、細められた瞳に意地悪な色が濃くなる。


「その顔はイヤだと言っていない。獣スタイルはしばらく勘弁しておいてやる。そのかわり他の方法で存分に愉しませてやろう」


 そう言ってジンは開かれた足の間に顔をうずめた。


「あっ……ん……」


 絶対にジンの方が愉しんでいる。
 そう思ったが、与えられる刺激に思考が奪われていく。

 クルミは考える事を放棄して、愛されている喜びとジンの与える快楽に身を委ねた。

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