IMITATION LOVE
「…俺、結構本気なんだけど。」
「どういうこと…?」
首を傾げると、大河内さんは私を囲う腕に更に力を込めてきた。
爽やかだけど甘い香が麻薬のように頭をぼーっとさせる……。
「ねぇ、世羅。俺を利用しなよ。」
「………え…?」
ぼんやりとする頭に、利用という文字に、私は大河内さんがいつの間にか”僕”ではなく”俺”になっていることに気づかなかった。
「俺と結婚すれば、世羅が利用されることは、もうほとんどないだろ?
お母さんも、療養に専念できる。」
「…でも………。」
「俺は、世羅が他の男のもとに送られるくらいなら、利用されるほうが嬉しいんだけどな。」
どう?と熱い吐息とともに耳にかかった声に、私の涙はいつの間にか引っ込んだらしい。