IMITATION LOVE





「…それとも、世羅は俺に夏目さんって呼んでもらいたい?」



悲しそうに、男の人にしては長い睫毛を伏せて、捨てられそうな子犬のような目で見ないでほしい。



そんな目…されたらずるい。




「っ……わかりました…。」



「要って、呼んでみて?」




甘い声に誘われて、


「か……要…さん…?」





すごく恥ずかしいのに、上出来、と彼が嬉しそうに笑うから、私の顔も釣られて綻ぶ。




「じゃあ、決まりだね。


…あともうひとつ。

もう、一人で泣かないこと。」



分かった?と言いながら顔を覗き込む要さん。



「世羅は俺を利用するんだから、泣くときも使わなきゃ。」



和食を食べる時はお箸で、と当たり前のことを言うような口調で話す要さん。




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