秘密な男女
「今日の帰りだよ」



「あ……」




ふと今日の帰りの時のことを思い出してみる



そういえば…あの時立花くんが何か言おうとしてたのを遮って

走って帰ってきたんだった




「俺はお前と一緒に帰るつもりだったからまさか逃げられるなんてよー」




そ…そうだったの!?




「おかげでわざわざ職員室に行ってお前の家を担任に聞いて

地図貰って道に迷いながらここまで来たっての」




だから…怒ってたんだ



これはしっかり聞かなかった私が悪い




「ごめんなさい…」










「………お仕置き」




え……


近すぎると思っていた距離がどんどん近づいて……




廊下に響くリップ音






その瞬間私の思考が停止した




「これで許してやるよ。じゃあこれからよろしくな、葵」




私の耳元で言うと耳にとどめのキスをして部屋に入っていった



な…何が起こった…?今…





パタンッと扉の閉まる音が聞こえて数分の間ー…



私はそこから動けずにいたー……




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