先輩~梨奈~
告白~両想い~
”先輩。
あたし、先輩のことが好きみたいです。”

この手紙がリュウトからリュウヤ先輩に届く頃には…。
あたしは今日、片想いの相手であるリュウヤ先輩への恋文を同級生で先輩の弟のリュウトに託してしまった。

~リュウトに見られてないかな?
~今頃、届いた手紙を先輩が読んでんのかな?

もぅ、かなりの不安であたしの心は剣道の初試合なんか比べ物になんないくらいドキドキしてる。
’心臓が破裂しそう’って言葉は、こーゆーときに使うんだろうか?

家に帰って母の第一声は、メールが来ているということだった。
そのことばっか考えてたから、他の事がきこえなっかただけかもだけど。
面倒なことに、あたしは母のケータイで色々な人とメールをしている。
つまり、あたしはケータイを持っていない。

母の手からケータイをひったくって、あたしは自分の部屋に駆け込んだ。
今にも破裂しそうな心臓の音を聞かれまいと、勢いよくドアを閉めた。
バタンという音の後、あたしの目はケータイに向かっていた。

あっ…。
メールは先輩からだった。

見たい。
超、気になる。
でも、だけどぉっっ、
…怖い。

えーいっっ。
あたしは震える手で、メールを開く操作をする。

”今日、リュウトから手紙受け取った。
まさか、チキンから告られるとはww
明日の昼休みに返事聞かせるから待ってろ。”

もうっっ。
こんな時までチキンとはぁっっ。


=次の日の昼休み=


いよいよ、昼休みがきてしまった。
昨日は眠れなかったし今日の授業は頭に入らないしで、最悪。

もぅ、先輩のせいだっっ。

あぁ…
落ち着かない。
普段から、よく落ち着きが無いって言われるけど、今日はいつも以上にソワソワする。

告白の返事なんて、今回が初めてってわけじゃないのに。

しかも、待ってろって…
ベランダにいた方がいいの?!
教室か、又は昇降口に迎えに行くべき?
そんなことを考えていたら…

「きゃあっっ」

後ろから、ギュッと抱きしめられた。
この、筋肉質な胸に細い腕は

「せ…先輩…?」

「これが返事」

耳元で、甘く優しい声が響いた。


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