恋の魔法 夜の虹
プロローグ
『約束だ、絶対また会えるって。だから……泣くなよ』
『うぇっ……うん……分かってるよぉ……』
そう言って、君は優しく私の頭を撫でてくれたね。まるで、私の本当のお兄ちゃんのように。そんな君の優しさが、私は大好きだった。
『約束だ、絶対会おう』
そう言って、君は小指を出してきた。私は泣きながら頷いて、小指を絡めた。
指きりげんまん、嘘ついたら針千本飲ます。指切った。
その時、まるで別れを告げるように電車のベルが鳴り響き、電車が動き始めた。
『あっ……』
私は窓に顔を当て、君を見ていた。
『薊っ!あざみー!!』
君の声は、はっきりと聞こえた。私の名を呼ぶ声。それ以上私の名前を言ってほしくなかった。辛くて、余計に泣いてしまいそうだから。お願い、追いかけないで。
そう思うのに、そう思っているのに、追いかけて欲しい。もっと私の名前を呼んで欲しい。
『っ――!アキ君!アキ君っ!』
声が裏返る。嗚咽しながら私は彼の名前を呼んだ。
『うぇっ……うん……分かってるよぉ……』
そう言って、君は優しく私の頭を撫でてくれたね。まるで、私の本当のお兄ちゃんのように。そんな君の優しさが、私は大好きだった。
『約束だ、絶対会おう』
そう言って、君は小指を出してきた。私は泣きながら頷いて、小指を絡めた。
指きりげんまん、嘘ついたら針千本飲ます。指切った。
その時、まるで別れを告げるように電車のベルが鳴り響き、電車が動き始めた。
『あっ……』
私は窓に顔を当て、君を見ていた。
『薊っ!あざみー!!』
君の声は、はっきりと聞こえた。私の名を呼ぶ声。それ以上私の名前を言ってほしくなかった。辛くて、余計に泣いてしまいそうだから。お願い、追いかけないで。
そう思うのに、そう思っているのに、追いかけて欲しい。もっと私の名前を呼んで欲しい。
『っ――!アキ君!アキ君っ!』
声が裏返る。嗚咽しながら私は彼の名前を呼んだ。
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