COLORS.
第1章 始まりの始まり


俺がまだ小さい頃


…確か、あれは雨が降ってた

そのときは傘も持っていなくて
全身ずぶ濡れだった

気がつけば、店の下に座り、
雨宿りしていた

自分が何故そこにいるのかも、
自分が誰なのかもわからない

ただ、そこにいた




ずっと、降り続く雨を見てた

寒さなんて感じなかった


傘をさして、知らない人が俺の前を通っていく

みんな、冷たい目で見ていた






そんな俺の前に誰かが
立っていた




その人は俺に手を指し伸ばす

その人は

「風邪引くよ?」

そう言って笑っていた

俺も笑っていた


その人の傘に入り、歩いた






それが俺の小さい頃の記憶


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