日々


ただいま俺のクラスは、
体育大会の選手決めをしている。


そして、俺は一生懸命潜在感を
消すことに努めていた。



「(だって皆の足引っ張りたくないし…)」



実は俺、宮谷雅紀は元陸上部である。


一応…。


高校で陸上部に入らなかった理由は
多々あるが、まぁそれは置いといて。



約2年のブランクがあるのだ。
俺のせいで負けることは避けたい。


絶対避けたい。



「(運動部しっかりしろよ〜…。
早く全部決まって。ホントマジで)」



うちのクラスはあまり率先して、
体育大会に出たくないらしい。


みんな嫌がっている。



それでも体育委員が強制指名で
無理矢理決めているが。



「あと1人!
あと1人なんだけど、誰かいない!?」



よし、あともう少し気配を消そう。


別に本当に消えているわけではないが、
顔を隠してなるべく息を潜める。



―――あれ、なんか視線を感じる。



スゲェ感じる。




え、誰。まさか…、まさか…、




体育い―――…




里桜
「……………」ジー


雅紀
「(あなた様でしたかぁあぁぁ!!)」





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