日々
雅紀
「(スゲェ見てる!!止めてこっち見ないで!!
気づかれるデショ!?)」
里桜
「…………」ジー
雅紀
「(俺でないから!!絶対でないから!!)」
必死に目で訴える。
里桜は俺が陸上部だったことを、
知っている。
里桜の口が開かれた。
里桜
「(雅紀、出ようか♪)」
雅紀
「(や、ヤです…!)」
里桜
「(名乗りでなよ!!ほら早く)」
雅紀
「(勘弁して!!本当に無理だから!!)」
手で×を作り必死にアピール。
里桜の攻撃はそれで止んだが、
ふと後ろに振り向いて話し出す。
話しは全く聞こえないが、
内容は分かる。
だって此方(おれ)を指差して
話してんだもん…!
「ねぇ、里桜ちゃん。
さっきから雅紀君見てるけど…」
雅紀
「うん。知ってる…。
でもお願い、何も言わないで」
「え、あ、うん…」
心配してくれたクラスメイトには悪いけど
これだけは言おう。
俺は、ぜっったい、でない。