日々

雅紀
「(スゲェ見てる!!止めてこっち見ないで!!
気づかれるデショ!?)」


里桜
「…………」ジー


雅紀
「(俺でないから!!絶対でないから!!)」



必死に目で訴える。


里桜は俺が陸上部だったことを、
知っている。


里桜の口が開かれた。



里桜
「(雅紀、出ようか♪)」


雅紀
「(や、ヤです…!)」


里桜
「(名乗りでなよ!!ほら早く)」


雅紀
「(勘弁して!!本当に無理だから!!)」



手で×を作り必死にアピール。


里桜の攻撃はそれで止んだが、
ふと後ろに振り向いて話し出す。


話しは全く聞こえないが、
内容は分かる。



だって此方(おれ)を指差して
話してんだもん…!



「ねぇ、里桜ちゃん。
さっきから雅紀君見てるけど…」


雅紀
「うん。知ってる…。
でもお願い、何も言わないで」


「え、あ、うん…」



心配してくれたクラスメイトには悪いけど
これだけは言おう。



俺は、ぜっったい、でない。




< 341 / 535 >

この作品をシェア

pagetop