隣の席の俺様ヤンキー【完】
「……――おい、莉奈!!」


魁一の声を背中に受けながら、それを無視して走る。


力任せに屋上の扉を開けて階段を駆け下りると、涙が溢れ出した。



「……追いかけてきてくれたっていいのに……」


なんかバカみたい。


付き合っているのに、それに舞い上がって喜んでいるのはあたしだけなのかも。


魁一と付き合えて、これ以上ない幸せを感じて。


一緒にいるだけで本当に本当に嬉しくて。


言葉には表せないくらいの幸せを感じているのに、魁一はそうじゃない。


あたしばっかり好きなんて、そんなの辛すぎる。


頬を伝う涙を必死で拭いながら階段を下りていると、体にドンッという衝撃が走った。



「……――きゃっ!!」


重心が後ろになり、その場に思いっきりしりもちをついた。
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