隣の席の俺様ヤンキー【完】
「あたし、すごく嬉しかった。魁一がメールくれたことも屋上に来てって呼び出してくれたことも」


キスしてほしいってメールが来て、ドキドキしたし、ワクワクもした。


早く授業が終わらないかなって時計ばっかり気にして、


先生の声なんてほとんど耳に届かなかった。


あたしがそんな気持ちを抱えていた頃、魁一は白鳥さんとキスしてたんだ?


魁一とあたしはもう偽りの恋人同士じゃないんだよね……?


ちゃんと付き合ってるんでしょ?


だったらどうして、白鳥さんとキスしたなんてあたしに言うの?


それを話したら、あたしがどんな気持ちになるのか分からない?


逆に魁一があたしの立場だったらどんな気持ちになる?


誰か違う男の子とキスしたら『事故だししょうがねぇな』って割り切れる?



「……――魁一なんて、大っ嫌い!!」


これ以上一緒にいたら、きっとあたしは泣いてしまう。


胸の奥底から湧き上がってくる感情をなんとか抑えてそう叫び、勢いよく走り出す。
< 244 / 384 >

この作品をシェア

pagetop