ガラスダマ


だからお母さんの顔なんて一度も見たことない。


お母さんはあたしを本当は産みたくなかったんじゃないかな。

ただお父さんに苦労を与えたかったから、あたしという荷物を置いて行ったんだろう。


愛されたことなど一度もないの。

あたしがここにいる意味など何もない。



やけに静まった部屋に気分が悪くなり、暗くなった外に出た。

いつものように夜の街を歩く。

たくさんの人達に囲まれて歩いていると、自分なんてちっぽけに思えて…


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