† of Ｈuman～人の怪異

自分だけではないだろう好奇な視線が、普段は明瞭明晰な委員長を観察していた。

いったい、彼は、どうしたのだろうと。

和幸は、委員長とはさして長い付き合いではない。

去年のクラスは違ったし、二年に進級してから同じクラスになった。桜庭紅蓮という目立つ名前も、つい最近知った。

しかし、不可解な行動をしているクラスメイトが気になるというのは、付き合いの長さ云々ではないだろう。


二年生の六月――学生として中緩みの時期に突入したばかりとも言える今、まさか受験ノイローゼとは思えない。にもかかわらず、委員長の奇行。