地味っ子?奮闘記

いつもは、朝来る先生が今日は、午後に来た

「桜さん、お話しませんか?」

「はい」

「桜さんは、雲が好きなんだって?」

私は、頷く

「なぜ?」

「・・・・先生うちのことは?」

「えーしっていますよ。有名な方ばかりだ」

「・・・・・雲は風に流されながら・・・好きなところに行くでしょ・・・

私には、それがないから・・・・羨ましいのかも・・・・

決められた道に進まなければ・・・・・認めてもらえないから・・・」

「そうですかー僕もね。決められたレールに乗りました」

エッ私は顔を上げた

「そんなに、おかしなことではないですよ。でも、途中で降りました。

自分の意志で。うちは、全員外科の医師でねぇ。それ以外を良しとしない

おんなじでしょ。」

「えっでも・・・・」

「そう、僕は心療内科。最初は認めてもらえませんでしたねぇ。

でも、僕は、何度も両親と話し合いをしました。そう、何年もね」

私の目を見ながら先生は、ゆっくりと話してくれた

自分のことを

私は涙が出た

久しぶりの涙

そして

「明日、ご両親と話をしてみませんか?」

エッ

「もちろん僕もいますし、彼も、いてくれるそうですよ」

彼とは蓮のことだろう

私は何度も頷いた
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