マイルド・ガールとワイルド・ボーイ3
力説すると、納得してくれたのか十六夜君の顔がゆるんだ。


「なんだ、安心した。お前に好きな人がいるのかと思った」


「好きな人はいないよ……てか十六夜君、手離してよ」


さっきから握られたままの手首に視線を落としながら、言い放った。


一体いつまで握っとるんじゃあ~~~!!


「ハイハイ。分かりましたよ」


十六夜君は“残念”って感じで手を離し、私はホッと一息ついた。


も、もう帰ろう…!


こんなヤツと一緒にいたら、絶対安らぐ事なんか出来ないよ!!


「十六夜君、私もう帰るね!それじゃあ!!」
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