鮮烈な赤に酔う
▼みっつめ、魅せる

∟フラグ予定地









【Haduki】


巡ってきました。

今日も素敵な昼休みです。



手に持った紙パックの飲むヨーグルトをすする。

本来立ち入り禁止の屋上は、お約束のように鍵が壊されていて空いていた。

大方、東雲先輩あたりが開けているんだろう。

それにしても、呼び出した人たち遅いなぁ……。



「退屈……退屈……あ、PSP持ってたんだった」

「お待たせしました。藤原葉月さん」

「ちょっと待ってもらえますか、今からテトリスやるんで」

「ふざけないでいただける? 陸奥さんが呼んだのよ」

「あ、もしかして私を呼び出した人たちですか? すみませんでした」



やはりお金持ち進学校。びっくりなことに、とんでもねぇ敬語を使う乙女たちが生息していた。

私はポケットにPSPをしまうと、彼女たちの方を向いた。

リボンは青。三年生。4人。



私がじぃっとみていると、真ん中に立っていた先輩が前へ一歩出た。

私を見下ろすような角度で微笑まれる。

ブラウンのショートカットの髪が眩しい。



「はじめまして、藤原さん。わたしは生徒会会長の陸奥 薫(むつ かおる)。これからよろしくお願いするわ」

「よろしくお願いします」

「紹介しておくと、右の彼女は副会長の山城 真弓(やましろ まゆ)。こちらは書記の霧島 那緒(きりしま なお)、それから彼女は会計の伊勢 愛香(いせ あいか)」

「……豪華メンバーでお揃いですねぇ、一体なんの御用です?」


私がわざとらしく口角を上げると、陸奥さんは眉間にシワをよせた。

私も私で、わかってて聞くんだからたちが悪いけど。



「あなたには、あの人と離れてもらうわ」








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