渚の平凡物語

愛すべき日常の終焉

 両親の顔色を伺うように過ごし、半分だけ血が繋がっているという姉の襲来日も知らぬまま、あたしは相変わらずの日常生活を送っている。

 よく眠れないままに学校へ行き、寝不足とは無関係に回転の悪い頭で勉学に励む。お昼にはそれなりに話の合う友人たちと机をくっつけて、だらだらと昼食をとる。午後を何とかやっつけて、掃除をして部活に出る。

 何という色気のない日々、なんて友達と笑い合うこともあるけど。それが結構気に入ってもいる。
 何せテレビドラマみたいな刺激は、あたしには受け止められないと学習したから。感動させるような台詞は出ないし、見目もさほど宜しくない。騒ぎの渦中にいる人を遠くから面白おかしく眺めるのがベストだ。

 いつも通りの日常を送れたことに満足し、あたしは上機嫌に玄関の扉を開けた。
 まさか、そんな日に非日常が突き付けられるなんて。誰だって思いもしないでしょ?
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