Who am l?
「ばーか。」
不意に後ろから声がした。
低いけど、よく通るその声は―――…
「神崎っ…」
端正な顔立ち。
おそらくクラス1だろう長身に少し茶色がかかった髪の毛。
丁度いい長さのそれには、少しクセがついている。
「早く来すぎだっつの。アホ」
私はこの前の事を思い出して、頬が熱くなるのを感じた。
「アンタもっ…人の事言えないでしょっ」
分かりやすい程、声が裏返る。
神崎が、声をあげて笑う。
「なーに緊張してんだよ。可愛いですねぇ、比ー奈ちゃん。」
からかってると解ってても、ついつい顔が赤くなる。