Who am l?


その「男」の好みが事もあろうにお姉ちゃんと正反対だったのだ。


「俺、全体的に色が白い子が好きなんだよね。日本人無理ー。」

「男」は言った。
「男」の父親はフランス人だった。


「男」の母親は日本人らしい日本人だった。
まるでお姉ちゃんのような。

だが母親はフランス人の父親と喧嘩し、離婚した。


「男」は父親に着いていった。


「男」はお姉ちゃんに会うたびに、
「お前はあの、憎い日本人の母親に似ている」
と言って、軽蔑した。


子は親に似た人を好きになる、と言うが、それはこの「男」以外の事なのかもしれない。


そしてお姉ちゃんの心は次第に傷をおっていった。
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