Who am l?
そんな私の役に立たない口を塞ぐように、私の唇に何かが触れる。
「…ふっ」
自分の声とは思えない変な声が時折こぼれる。
リボンが――落ちた。
神崎は私のブラウスのボタンに手をかける。
プチップチッという音を放ちながらボタンが1つずつ外れていく。
口の中に、何かが入ってくる。
私は――思い出す。
お姉ちゃん。なんで自殺なんか。
あの男のせいだ。
零のせいだよ。
アイツさえ居なきゃ。