Who am l?

そんな私の役に立たない口を塞ぐように、私の唇に何かが触れる。


「…ふっ」

自分の声とは思えない変な声が時折こぼれる。

リボンが――落ちた。

神崎は私のブラウスのボタンに手をかける。

プチップチッという音を放ちながらボタンが1つずつ外れていく。


口の中に、何かが入ってくる。


私は――思い出す。

お姉ちゃん。なんで自殺なんか。


あの男のせいだ。


零のせいだよ。


アイツさえ居なきゃ。




< 60 / 92 >

この作品をシェア

pagetop