Who am l?
喜びに埋まっているそんな私を誰かが掘りだした。
「朝比奈、94?っていうか、何ニヤニヤしてんの」
低いけど、よく通るその声は、間違いなく彼のものだ。
私はニヤニヤした顔を誤摩化しながら
「そう言うアンタはどうなのよ。」
と言った。
確かに目の前の男は頭がいい。
だが、さすがに私の点数はーー..
「95。」
男は自分の答案を私の目の前でヒラヒラさせた。
「神崎 翔」と規則正しく書かれた字の上には、見間違えようはずがないほど、くっきりと「95」と書かれている。