野良猫 lovesong 1
走って、走って、走り疲れて。

それでも、止めることなく、ずっと
動かし続けていた足。

その足が、古い家が立ち並ぶ路地を
抜けた瞬間、止まった。


開かれた視界。
あたしの目の前には

どこまでも………
どこまでも続く広い海。

ちょうど太陽が顔を出し、キラキラと
光を放っていた。



『…綺麗』

自然と呟いた自分の言葉に驚く。

あたしにもまだ綺麗って思う気持ち、
ちゃんとあったんだって。

それがちょっと嬉しかった。

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