野良猫 lovesong 1
なんで?
なんでっ?

横目で周りを見てみるとさっきと
同じような砂浜。

あたしは死んだはずなのに……。




もう1度目の前にいる男に向かう。

『ここはどこ?』

真剣に聞くあたしに

「地球。」

と、ダルそうな声で男は言い放った。




…………目眩がする。

『…………あたし、生きてるの?』

そうでありたくないと思いながら
呟くあたしに

「あぁ。」

そう、男は静かに答えた。

『信じられない……。嘘でしょ?』

あんなに苦しい思いしたのに
あのくらいじゃ死ねないの?



困惑するあたしに、男は

「俺が助けた。」

さも当たり前のように言ってのけた。


いや……。
溺れてる人を見て助けるのは
当たり前のことだ。

それを男はしてくれただけで………。



でもそんな常識、今のあたしには
いらない。

『んでよ……。』

呟くように言ったあたしに

「あ¨?」

と、不機嫌そうに言い返した男。

ブチッと頭の血管がキレた気がした。

『なんで助けたりするのよ!!?
 あたしは死にたいの!!
 楽にさせてよ!!!!』

そう叫びながら男の胸ぐらに
つかみかかる。

男を殺気混じりに睨み付けた。

男は一瞬、少し肩をビクつかせたが
すぐに何も感じてないような顔をして
ため息をつきやがった。

『なによ……』

悔しかった。
コイツはあたしが軽い気持ちで死のうとしていたと思ってるんだ。

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