君のいる世界




ーーーーーカタン。


突然の物音に私達はビクッと肩を震わせた。


身体を離し、物音がした扉に目をやると口の端を上げて微笑む会長の姿があった。




「か、会長…!」



「あ、悪い。いいトコ邪魔したな。どーぞ、続けて」



「続けてって…ねぇ?」



私と山下さんは目を合わせた。


続けてって言われると気恥ずかしいというか、やり辛いというか。


山下さんも同じ考えだったようで二人して苦笑いを浮かべた。





「…ぷっ、あはははは」



会長はもう耐えられないとでも言うかのように背中を曲げ声を出して笑い始めた。



「っな!何よ!?そんな笑うこと…」



「悪かったって。いいじゃん。そういうの、俺割と好きだぜ?」



「…っ!」



薄っすらと目に涙を滲ませ、くしゃくしゃな顔の会長に胸が高鳴った。




会長って、こんな風にお腹を抱え声を出して笑ったりするんだ…


いつも大人っぽい会長だけど、無邪気な笑顔はちゃんと年相応…ううん、小さい子供のように可愛く見えた。


なんだかくすぐったい気分。




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