君のいる世界




「あれだけ顔が整ってて身長が高くて勉強もスポーツも出来れば、女子が黙っていないのも納得ですが…」



山下さんは口元に笑みを浮かべて、会長に群がる女子達を楽しげに見ている。


確かに…
会長は外見は完璧だし、頭も運動神経も良い。


悔しいけど、それは認める。



だけど、性格に問題が大有りだし!
初対面の人に、お前みたいな女嫌いだなんて吐き捨てる奴が、素敵なわけない!


昨日のことを思い出しただけでも腹立たしい。




「山下さんも会長のこと素敵だと思いますか?」



「そうね、素敵だとは思うけど私は興味ないわ。谷本さんは?昨日の顔合わせの時、やけに二人の雰囲気が険悪だったけど」



「それは、あいつが悪いんです!」



昨日、会長は私以外の人とは「宜しく」って握手を交わしていた。


私には“宜しくするつもりはない”って言ったくせに…



ホント、私が何をしたって言うのよ…



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