君のいる世界

男は狼だから





家に着き自室に入ると、私は制服のままベッドに飛び込んだ。


ギシッとベッドのスプリングが軋む。


低反発の枕に顔をうずめ今日の一日を思い返した。




私達はあれから保健室に向かった。


腫れが引いた頃には五限目が終わり、六限目に間に合うように教室に戻った。


教室に入った時、クラスメイトからの視線はやっぱり痛かったけど不思議と気にはならなかった。


噂を真に受けるならそうすればいい。




私は噂に左右されずに私を信じてくれるあの二人がいればもう何もいらないから。




放課後、昇降口にはいつものように私を待つ群れが出来ていた。


中には昼休み明けに私に聞こえるように噂話を口にした女子達の姿もある。




やっぱり思った通り。


昼間の事はなかったかのようにけろっとしてる。


作り笑いも一切崩さない。




いつもなら波風立てないように対応する所だけど、今日はそんな気分になれなかった。


あんな風に言われて、関係のない親友を傷付けられて。


何もなかったような顔が出来るほど大人じゃないし賢くもない。



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