君のいる世界




俺は親父の事を今も変わらず尊敬してる。


いつも全力投球で大きく暖かい心と周りまで巻き込むような笑顔を持った人。


仕事に誇りを持ち、小さい会社だったけど独立して社員を家族のように思っていた。


親父とこの街を歩いていると、すれ違う殆どの人が声を掛けてくる。


親父は社員からもこの街の人達からも好かれていた。




そして何よりも俺達子供はもちろん、母さんのことを大事にして無償の愛を捧げた。




親父は俺の自慢だった。


ずっとこの幸せが続くんだと思ってた…




なのに…


幸せは突然、一瞬で崩れた。






親父が死んだ後、俺達はこの街を離れた。


母さんは引っ越す理由を知り合いが仕事を紹介してくれて、しかも安く家を貸してくれるからと言っていたけど…


この街に住み続けるのが辛かったんだと思う。


ここには親父との思い出があり過ぎる。


特に親父と母さんは結婚前からこの街に住んでいたから尚更辛かったはずだ。





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