君のいる世界




毎朝同じ時間に起きて、鎧のように重い制服に袖を通す。


イタリア製の無駄に大きい机で一人、朝からカロリーの高いフレンチの朝食を済ませた。




玄関を開けると専属運転手がベンツの横に立ち、



「おはようございます、お嬢様」



そう言って頭を下げ、後部座席のドアを開けてくれる。




学園に到着すると直様男女問わず人が集まり、私を囲い込む。




「今夜お食事でも如何ですか?」



「ごめんなさい。今日は先約があるのでまたの機会に」



「今週末パーティーを催しますの。是非いらして下さい」



「ええ。予定を調整させますわ」





私は無理矢理笑顔を作り、当たり障りのない受け答えをしてその場を凌ぐ。




毎日毎日、この繰り返し。




くだらない、退屈な日々。




< 2 / 497 >

この作品をシェア

pagetop