君のいる世界




「佳菜子は本当に強いね……私も佳菜子みたいになれるかな…?」



「私は弱いよ。いつも会う度ビクビクしてる…だけどね、夢に見たの。彼が私に笑いかけてくれる夢…幸せだった、夢なのに目覚めたら泣いてた。あの笑顔見るためなら、私頑張れる」



多分、今佳菜子が言った事は以前の私なら意味がわからなかった。


でも今ならわかる。


会長を好きになったから…




「…やっぱり佳菜子は凄いよ」



「麗奈なら大丈夫。中澤さんに恋をしてから凄く輝いてるもの。ねえ、知ってる?恋する女の子は無敵なんだよ」



佳菜子は「頑張れ」と肩にポンッと手を置いて満面の笑みを浮かべた。




私も佳菜子みたいになりたい。


自分を変えたい。




会いに行こう、会長に。


会って今の想いを全部伝えよう。



ーーーーーーーーーー・・・・



そして、放課後。


私は今、生徒会室の前に立って木製の扉を穴が開くぐらいジッと見つめている。


結局、授業は最後まで集中出来なかった。


これからの事を考えただけで緊張で手に汗が滲む。




康君には事前に【今日は迎えに来なくていい】とメールを打っておいた。


だけど、それだけで康君が納得するわけもなく…


遅くならないこと、帰りは迎えに行く、この二つを条件に渋々了承してくれた。



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