君のいる世界




この三ヶ月、会長とは必要以上に話していない。


生徒会会議や学園行事がある時以外は、目すら合わせてくれなくなった。




私は生徒会室にもなるべく近付かないようにしている。


正直、この状況は辛い。


会長にとって私は空気のような存在なんだと思う。




学園で会長の笑顔を見る事はなくなった。





あの日、家に帰って食べた生姜焼き弁当は優しくて懐かしい味がした。


心がほっこり温まるような、お母さんが側にいてくれるような、そんな不思議な感覚に静かに一筋の涙を流した。


この生姜焼きは、どんな高級レストランよりも有名シェフが作った料理よりも、私には美味しく感じたんだ。





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