君のいる世界

お友達からでもいいですか





あれから月日は流れ、8月。


部屋に付けた風鈴が風に靡いてチリリーンと涼しげな音を鳴らす。


頬に夜風を感じながら、私は自室の机に向かってノートにペンを走らせた。




今は夏休み真っ只中。


来月初旬に学力テストがある為、一応勉強をしているわけだけど…


ふと三ヶ月前の事が頭に浮かんできて手が止まってしまう。


その度に、気が付くと数分ほど時間が経っている。




今日はこれで8回目。



「…はぁ」



私は机の上にペンを放り投げた。


ペンはコロコロ音を立てながら机の上を転がり、やがてペン入れに当たって止まった。



「寝よ…」



椅子から立ち上がりベッドに仰向けに寝転がった。




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