君のいる世界




「馬鹿…そんな可愛いこと言うの反則」



そう言った会長は、私の顎に手を添えて無理矢理後ろに振り向かせ唇を重ねた。


優しくて、だけど強引な深い口付けに私の心も身体も麻痺していく…




やがて唇が離れると、会長は再び私を抱き締めて消え入りそうな声で言葉を紡いだ。



「俺を…許してくれるか?俺は麗奈を傷付けて、泣かせた。それに、二学期の初日にここで…最低な事を…」



「…凄く怖かったんだからね」



「ゔ…ごめん…」



私が怒ってるような口振りで言うと、会長は叱られた子犬のように身を縮こませた。


そんな会長が可愛くて思わず笑みが漏れる。




「ふふふ。冗談!怖かったけど…でも、もう良いの」



会長は私の言葉にほっと胸を撫で下ろした。





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