君のいる世界

「…あのプロポーズは、本当に嬉しくて…嘘でも重いだなんて言えなかった。鬼にならなきゃいけなかったのに…私ったら中途半端で…駄目だね」



「でも、そのお陰で俺は気付けたんだ。あの二人に吐かせるのは時間掛かったけどな」



大輝は苦笑いを浮かべながらも、その目は凄く優しかった。




もし、全部解決したら改めてプロポーズの返事をしよう。


あの時はもう二度とこんな風には触れ合えないと思ってた。


だからすぐに出てしまいそうだったプロポーズの返事を必死で飲み込んだけど…




もう我慢する必要なんてないんだ。


これからは何があっても絶対に離れないから…







「…行くか」



大輝は何かを決意したような力強い瞳で立ち上がった。




「え…？行くって何処へ？」



「決まってんだろ？祖母さんのとこに乗り込みに行くんだよ」