君のいる世界




「で、でも…どうするつもり?」



考えもなしで乗り込んで行っても、祖母には敵わないと思う。


祖母は頭が良くて回転も早いし、何よりも途轍もなく冷酷な人。


追い返されるどころか、最悪大輝の家族をめちゃくちゃにしかねない。




「ねえ、まずは何か策を考えよ?それからでも遅くは……「「俺はもう我慢の限界なんだよ」」



「大輝…」



「…もう、麗奈と離れたくない……泣き顔は見たくない」



そう言った後に見せた大輝の泣きそうな切ない表情に胸が締め付けられる。


離れていた期間、大輝は何が起きてるか知らなくて不安に苛まれていたんだ。


私よりもずっとずっと辛かったはず。





「そんな心配そうな顔すんなって。大丈夫だから。俺が麗奈を守る、絶対に」



不思議だった。


乗り込むって聞いた時は不安で仕方なかったのに…




“麗奈を守る、絶対に”



この一言で、不安なんて一瞬で消えてしまったんだ…


まるで魔法をかけられたみたいに。




私は大輝の手をぎゅっと握って力強く頷いた。





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