† of Ogre~鬼の心理
「朝食、支度できてるぞ――と、アルから伝言だ」

「時間的にわかってる。ほんと朝早いわね、アルは。信じらんないヤツ」

ベッドから抜け出した私に、

「まあそう言うな」

と、ポケットに手を入れて入り口に寄りかかった仁が苦笑した。

長身の仁には、そんなポーズがよく似合う。

「それに信じられないのは、お前の在り様も言えるだろ?」

「あらあら。それこそ、そう言わないでほしいわね。それに――」

小さな抗議と共に、顎でクイと、ドアを閉めて失せるように指示する。

「人の部屋に朝から平然と侵入するのも問題よ。

いくらドアからでも、ね。

着替えるんだからさっさと出ていってちょうだい」

「はいはい。出ていきますとも」
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